チョコレートの原料となる「カカオ」。
この3文字の植物の名前は、もちろん、みなさんご存じだとは思いますが、チョコレートの原料として使われている「カカオ豆」というモノが、いったい何なのか? これをご存じの人って意外と少ないんじゃないでしょうか。
チョコレートを食べるのに、カカオ豆が何か知らない なんてもったいない!
というわけで、今日は、「植物としてのカカオ」と「カカオ豆」についてお伝えしたいと思います。
カカオとは?
高温多湿の熱帯、「カカオベルト」と呼ばれる、北緯20度から南緯20度までの栽培地のみで育つ、アオギリ科の常緑樹。ハイビスカスやオクラの仲間です。
学名を「テオブロマ・カカオ」といい、「神の食べ物」という意味を持っています。
植物としてのカカオの特徴
カカオの木は、野生で10メートル、栽培されたもので4~8メートルほどの高さ、そして10~20センチほどの幹を持ちます。
面白いのが、幹から直接、花、そして実がなること。
おそらくほとんどの方が見たことのない姿をしています。
カカオの実は、ラグビーボールの程の大きさで、「カカオポッド」と呼ばれます。
ポリフェノールや、リラックス効果のあるテオブロミン、そして植物繊維リグニンなどを豊富に含んでいます。
そう!チョコレートの健康効果や美容効果は、カカオの栄養素によるものなのです。
カカオの主な栽培地
前述の「カカオベルト」地帯で育つカカオ。
中南米、西アフリカ、東南アジアなどが主な産地です。
カカオ豆の生産量第1位はコートジボワールですが、日本が輸入しているカカオ豆の生産国トップ3は、ガーナ、エクアドル、ベネズエラです。
基本的に日本での栽培は適していませんが、無いことはなく、最近は日本産のカカオで作ったチョコレートブランド(「TOKYO CACAO」など)も登場しています!
カカオの品種
苦みが少なくマイルドな「クリオロ種」、渋みと苦みが強い「フォラステロ種」、それら2つの中間的な特徴を持つ「トリニタリオ種」の3つが代表的な品種です。
カカオ豆とは?
さて、「カカオ豆っていったい何?」というお話の答えなのですが、それはズバリ…
カカオの実のタネ!
そうです、種子なんです。チョコレートの苦みや深み、その風味は、このタネを発酵させ焙煎することによって誕生した味なんですね。
カカオポッドを分解してみよう
模型を使って、その内部をご紹介。
カカオの実(カカオポッド)の中には、白くてライチのような果肉がボコボコっと入っています。
そしてその中にタネが。
タネを割ると紫色をしており、これがポリフェノールの色。チョコレートの健康効果に強く関係しています。
カカオの果肉のことはあまり知られていませんが、食べると意外においしいく、ビーントゥバー(カカオの選定から自社で行う作り方)のショコラトリー(チョコレート専門店)などでは、このジュースを提供するお店もあります。