ワインやコーヒーの原料となる植物に、さまざまな品種があり、そしてそれによって出来上がりが全く変わってくること、そして、そのプロダクトにとって品種情報は欠かせないものであること…は皆さんご存じですよね。
それと同じように、カカオにもいくつか品種があります。
チョコレートを食べるうえで、ぜひ知っておきたい!知っておいたらもっと美味しい情報!
このページではそんな「カカオの品種」について、それぞれの特徴をご紹介したいと思います。
代表的な品種は3つ、写真右から「クリオロ種」」「トリニタリオ種」「ファラステロ種」…
順に紹介していきますね。
クリオロ種
スペイン語で「自国の」という意味を持つ「クリオロ種」。
カカオ豆を初めてヨーロッパに輸出したベネズエラが、それらを「自国の」と呼んだことがその始まりです。
とても古くからある品種で、アステカ皇帝モンテスマが飲んだ、だとか、中世ヨーロッパの宮廷でも好んで飲まれていた、なんていう話もあります。
マイルドで優しい風味が特徴ですが、そもそも収穫量が少なかったり、病気や虫に弱いため、現在は絶滅の危機にさらされている、大変、希少な品種になっています。
ちなみに、その、世界全体の生産量比率は3%に満たない…一説には0.5%だ、などと言われています。
なかなかお目にかかれませんが、「クリオロ種 チョコレート」などで検索してみると少しですが情報が出てきます。
有名なところではロイズやドモーリなど。ぜひお試しを。
ホワイトカカオ
また、ただでさえ数の少ないクリオロ種の中でもかなり珍しい、ポリフェノールをほとんど含まない「ホワイトカカオ」という種類も、近年、いくつか商品化されています。
明治の「ザ・チョコレート」のバレンタイン限定フレーバー、カカオストア「BeanToBar ペルーピウラ 70%」、チョコレートナイーブ「ホワイトカカオ」など、見かけたらぜひGETを。

ホワイトカカオ 「明治ザ・チョコレート」リリースより
ファラステロ種
一方、育てやすく、収穫量も多いのが「フォラステロ種」です。
先ほどとは逆で、ベネズエラが、自分たちが輸出していた豆”以外”を「外国の」「よそ者の」と呼んだことがその品種名の由来。
世界の生産量の80~90%を占めています。みなさんが食べているチョコレートはほとんどがファラステロ種なんですね。
カカオらしい苦みと、ポリフェノールを含むことによる渋みが特徴で、香りもやや刺激的。
力強い品種のため、カカオ豆をブレンドするとき時には味の土台作りとして使われています。(ベースビーンという言い方をします。)
トリニタリオ種
最後にご紹介するのは、前2つ、「クリオロ種」と「フォラステロ種」を組み合わせ交雑種として出来た「トリニタリオ種」です。
名前の由来は、誕生地である「トリニダード島」。
この品種は、クリオロとフォラステロの良い部分をそれぞれ受け継いでいて、美味しい上に、栽培がしやすいという特徴を持っています。
単体で使うだけでなく、ブレンドする場合は風味付けのための「フレーバービーン」として使用されます。
…ちなみに、この代表的な3品種に加えて、近年、4品種目として「アリバ種(ナシオナル種)」という品種を加える場合もあります。
これはフォラステロ種の派生種ですが、フォラステロにはない豊かな芳香をもっていて、そのため「フレーバービーン」として、しばしば使用されます。