15年ほど前フランスを旅した際「どうしてもここだけは!」と言ってパリから少し足を延ばして訪れた、私にとって特別なショコラトリー「ベルナシオン」。
フランス国内でも、リヨン(地方都市)の1店舗のみなため(取材当時。今はパリにも店舗ができているそうです)、チョコレート好きにとっては、「食べたいけど、なかなか食べられない!」憧れのブランドでもあります。
写真上:リヨンの街並み
今日は、そんな「ベルナシオン(BERNACHON)」について、その特徴、おすすめ商品、店舗詳細などお届けします。
公式サイト(フランス語、英語対応)
三越伊勢丹オンラインショップ
目次
「ベルナシオン」について
「ベルナシオン」は、美食の街 リヨンに本店を構える、カカオ豆の状態からチョコレート作りを自社で行う「ビーントゥバー」の先駆けともいえる有名ショコラトリーです。
1953年創業。
フィリップ・ベルナシオン
そんな「ベルナシオン」を率いるのは、2010年父であるジャン=ジャック・ベルナシオンを継いだ3代目フィリップ・ベルナシオン氏。
「変わらないことで進化する」
2013年のサロンデュショコラ カタログにそう書かれた通り、ベルナシオンは祖父の代から60年以上「本格」「本物」の伝統を守りつつ、新しさを取り入れて進化しています。(写真左:2013年 日本のサロンデュショコラにて)
私が個人的にいつも「好きだなぁ」と思うのは、例えば、タブレットの分厚さや後述するスペシャリテ「パレドール」の大きさを見てもわかる通り、日本と比較すると、より「質の高いショコラを食べることが日常生活」であるフランスならではともいえる、気取らないショコラっぷり。
ガチガチに洗練されているわけでもないけど、食べるとカカオの深さを思い知らされるその実力…!
ここからチョコ沼に落ちた、という方も多いと聞きます。(私もその一人。)
「ベルナシオン」おすすめ商品
パレドオール
ベルナシオンの「ド定番」といえば、パレドオールです。
金箔がまぶされた円盤状のボンボンショコラ。原点にして頂点の美味しさ…!
生クリームではなくクリームエペス(発酵クリーム)、そして55%のショコラ・オルディネールを使ったシンプルなガナッシュがセンターです。
最初に口に入れたときのバタリーな感じが、やっぱり他のガナッシュとは違う。
まろやかさの後にほんのりとした苦味。それから、「ほんとにカカオだけ?」と疑ってしまうほど心地よい酸味。舌ざわりは一つも引っ掛かりがない滑らかなテクスチャで、ネットリと溶けていきます。
濃縮されたテクスチャで、味わい深いけれど、酸味があってまったく飽きずにいくらでも食べられちゃう。パワフルだけど食べやすい。
しばらくは飲み物も控えて余韻を楽しみたい、素晴らしい味わいです!
大きなサイズもあります♪
そしてなんと、タブレットもあります!
大容量250gを個人輸入したこともあります♪(溶けてますが…)
アマンド・プランセス
こちらもベルナシオンの定番、「アマンド・プランセス」。
中身はプラリネ(チョコにペースト状のナッツと砂糖を混ぜたクリーム)とヌガチーヌ(煮詰めた砂糖にロースとアーモンドを入れ伸ばし固めた物)。
それら2種類をビターなチョコレートでコーティングしています。
中身の食感の違いが楽しい1粒。
緑色のアルミの包みが目印です。
もちろんこのほか、さまざまな種類のボンボンショコラが人気です。
ブッシェ マラコフ
ボンボンの大きいバージョン?ブッシェの「マラコフ」。
ヘーゼルナッツのプラリネに砕いたアーモンドをまぶして、チョコレートでコーティングしています。
ヘーゼルナッツを、カカオ豆を粉砕する3段ローラーに計3回通してすごく細かくしているそうで、ベルナシオンのプラリネはとにかくなめらか。それに対してまぶされたアーモンドは驚くほどカリッしていて、その対比がすごくハッキリとしています。
ちなみにこちら、「シェフも大好き」と同じくムック本に書かれておりました。
ブッシェ クレオール
芳醇なラム風味レーズンが入ったマジパンのショコラ。
トップにもレーズンが飾られてましたが、センターのマジパンにもレーズンが入ってます。
シャリシャリサクサクとしつつ、ぺっとり滑らかな食感で、かなりキッチリとお酒がきいてます。
それがコーティングのチョコレートとまろやかさとよく合う。
全体的にパワフルなので、ちょっとずつゆっくり楽しめるのでコスパ良いかもしれません。
私、お酒をそんなにいただかないので、オシャレなマリアージュは思いつかないのですが、また別のお酒?とか、香りのよい紅茶とか、そんなのと合わせたら美味しいんだろうなって思います。
オランジェット
オレンジピールにチョコレートをかけたもの。
ベルナシオンはオレンジピールの砂糖漬けからオリジナルで作っています。一般的なオレンジピールよりもおおぶりに切っていて歯ごたえが楽しい♪
このオレンジピールはタブレットやマンディアン(薄いチョコの上にナッツやフルーツを乗せた物)などにも使われています。
タブレット
板チョコ系も大人気です。
重量感があって、かなり食べ応えがあります。
↑こちらは2022年個人輸入した、ピスタチオのマジパンが使われた1枚。
写真の通り、「ボンボンショコラが何個も連なってる」と言ってもいいくらいの贅沢さ!
人気があるのも納得です。
ラム酒がたっぷりと入ったコチラ↓は、2014年、日本のサロンデュショコラで購入した「タブレットクレオール」。2,500円。
↓こちらは翌2015年に購入したマンディアンです。
ベルナシオンのチョコはとにかく力強くて、タブレットも分厚く硬め。食べごたえあるいっぴんです。
まだまだあります(笑)
2022年のサロショで人気大爆発!だったのが、栗を使ったタブレット。
フランスの栗の名産地アルデッシュ地方で一世紀以上続く「サバトン社」のマロンクリームを挟んだ、フィリップさんのお子さんも大好きな1枚。
ミルクタイプもあったのですが、マロンクリームと合わせているなら、ビター(ノワール)がいいかな~とそちらをチョイスしました。
濃厚でネットリ滑らかなくちどけのチョコレートは、苦味と酸味のバランスが良いです。
フィリングは「がいこくのまろんぐらっせだ!」って感じでパワフル。
舌に絡む、ぺっとり&もたっとした食感と甘さ、そして香りが、ビターなチョコレートとよく合います。
温×寒って感じの温度差も楽しい。
そしてコチラは、個人輸入でGETしたホワイトチョコレート。
通常のホワイトチョコの材料(カカオバター、ミルク、砂糖)にバニラと自家製のアーモンドプードルを入れて作っている、と2015年のサロショムック本で見て、「コレは体験せねば!」とお取り寄せした1枚。
フィリップさんのおじいちゃんが開発したレシピで、今も変わらぬレシピで作られているとの事。
濃厚という言葉はありきたりですが、くちどけは確かに、カカオバターのものだけでなくナッツ由来の油脂の感じもあります。
そして食感も、「ねっっっっっっとり」「ぷわぷわ」の中に、「シャラシャラッ」としたパウダーの感じもほんの少し。
そして↑こちらは23年のサロショに登場した新作。ティムット胡椒を使ったもので、お花のような香りが特徴のタブレットでした。
バニラビーンズたっぷりの塩キャラメル「Kalouga」、
↑パッションフルーツキャラメルもおすすめです!
チョコレートスプレッド
ピエモンテ産ヘーゼルナッツを60%配合し、10種類のカカオ豆を使ったチョコを合わせたスプレッド。
開けた瞬間「あぁぁぁ~…これは超ヘーゼルナッツ…」と気づかされる薫り高さ。
そして、スプーンが重く感じる&舌に留まるようなネットリとした食感…。溶けてなくなる瞬間にナッツの配合量の多さを思わせるシャラっと感。常温でタプタプと混ぜればエアリーな食感になりますが、どうせなら重めテクスチャのまんま、どっしりとしたベルナシオンのチョコを味わうのも贅沢なんじゃないかと。
パクっと食べた後は、2度と口を開きたくなくなるくらい、ぷわわわわ~んっと濃厚なチョコとナッツの余韻がすごいです。
個人輸入にて。
秋の果物
日本未発売(2022年現在)だと思うので、和名が付いてないためフランス語をそのまま翻訳してます。
マロンのペーストをミルクチョコでコーティングし、それをピスタチオのマジパンで包み、そしてさらにそれをカカオ55%のチョコレートでコーティングした…というスイーツらしいです。
写真で見たときは「なぜ、トップに裂け目が?!」と思っていたのですが、外側のトゲトゲ仕上げも含め、栗をモチーフにしてるんですねきっと!なるほど。
全体的に、カカオなのかお酒?なのか、はたまた両者なのか、の、発酵の感じがぷわぁっとあります。
私、お酒は全く詳しくないのですが、日本酒のような上品さも感じました。
ピスタチオのマジパンは、過去、タブレットやボンボンでも体験しましたが、栗と合わせると本来の濃厚な風味の他に、ハーブのような青っぽいクセと爽やかさも出てきます。
栗の美味しさは言わずもがな。前回タブレットで紹介した通り、美味しいマロングラッセのような味と、ぬーーーーっと広がっていくあの独特の食感です。
パウンドケーキ
こちらも個人輸入したパウンドケーキ。
オレンジのケーキと、砂糖漬けフルーツのケーキの2種類で、どちらも14ユーロ(約1960円)くらいでした。
パッと見た感じ、もしかしてパサパサで大味なのかしら?と思ってしまったのですが、実際いただくとドッシリ&シットリとしていて本当に美味しい。
粉の良い香りとアルコールのような風味。
サラサラとした食感からネットリ変化して口の中に広がります。
ビスキュイ・ジャンドゥージャ ショコラ(サブレ)
2019年のサロンデュショコラ東京に、ベルナシオン初のテイクアウトメニューとして参戦したサブレ。
ヘーゼルナッツとノワールのジャンドゥージャをサブレでサンドしています。
コーティングチョコはノワールとレ、両方から選べます。
フランスから個人輸入してみた!
注意点、備忘録などまとめておきます。
まず、公式サイト(英語対応)にアクセスします。
■好きな物全部カートに入れたら「PROCEED TO CHECKOUT」(チェックアウト)に進みます。
■名前などを入力したら「 J’accepte les conditions générales et la politique de confidentialité」( 一般的な条件と機密保持のポリシーに同意します。という意味)にチェックを入れて「CONTINUE」。
■「VAT number」(税金の何か)は未記入。
■「Zip/Postal Code」は郵便番号(「住所 英語変換」などで検索すればその他のフォームの入力も簡単にわかると思います。)
■「SHIPPING METHOD」(出荷方法)では、「Livraison standard-monde」(標準的な配達方法)を選びます。
■暑い時期(3月以降)に頼むと、ボンボンショコラがちょっと溶けて合体している可能性が高いので注意。いっぱい買うならタブレットの方が〇
■お酒が入ったものなど、日本にはお届け不可な物があるみたい。エラーメッセージが出た場合、心当たりある商品をカートから削除してみてください。
■ある程度購入すると税金がかかります。送料もこのあたり?から値段が上がる…らしい?ですたぶん。
■↑この場合、後日、国際宅配便事業会社から「輸入税金請求書」が届きます。
(私はメールにPDFファイルで送ってもらう形でした。)指定された口座に振り込んで完了。
■ちなみに、我が家には3~4日くらいで届きますが、たまに2週間くらいかかる時も。その時は溶けてる確率が高いので、たぶんどこかでストップしてたんだろうなと。
■1ユーロは、140円くらいです。
■商品代がだいたい日本の4分の1とか3分の1くらいなので、ある程度買えば、送料を入れても、かなり安く手に入ります。
「ベルナシオン」店舗詳細
実店舗
ベルナシオンの店舗ですが、冒頭に書いた通り、フランス リヨンに。【追記】パリにも店舗ができたそうです!
住所: 42 Cours Franklin Roosevelt, 69006 Lyon, フランス
電話: +33 4 78 24 37 98
日本での購入 お取り寄せ
日本で購入できるのは、毎年2月のバレンタインデイ前に開催されるチョコのお祭り「サロンデュショコラ」。(開催場所、日程はコチラをチェック)
毎年、一番長い行列ができる人気ブースですので、参戦は十分気合を入れて(笑)
お取り寄せは、上記サロショ(三越伊勢丹のオンライン)、また、タブレットであれば、シーズン限定?で「paris.wave」さんからも。
もちろん、上記の方法で、フランスから個人輸入する方法もあります。
「paris wave」で買う方はコチラ
「三越伊勢丹 オンラインショップ」で買う方はコチラ
グルメライター ケイのひとりごと
前述のとおり、日本のサロンデュショコラ(2015年くらいは特に凄かった…と思ったらコロナ禍開催された2022年なんかも…人気すご)でのベルナシオンの人気は大変なモノがあります。
伊勢丹で開催される時は、階段を何階も降りて行列の最後尾にやっとたどり着く…といった具合でした。
ただ、本場パリのサロンデュショコラでは、さすがにそこまでの行列はなく、少し待てばお買い物できる程度でした。
チョコレートの販売だけでなく、ファッションショーや各賞の授賞式、大会なども開催されていますし、様ざまな形でチョコを楽しむことが出来ます。
日本の行列に嫌気がさしちゃったわ、という人は、思い切ってパリに行っちゃうのも手かも?!(笑)