フランスの権威あるショコラ愛好会である「クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ(C.C.C)」から、連続してその最高位を獲得した、日本人パティシエ 小山進(こやますすむ)さん。
コロンビア産のカカオを使ったオリジナルのクーベルチュールなど様々な素材を使い、世界を感嘆させる独創性を持ち、多くのファンを魅了しています。
日本ならではの素材を使ったものもお得意。
そんな彼が手掛ける「PATISSIER eS KOYAMA(パティシエ エス コヤマ)」について、その特徴、おすすめ商品、店舗詳細などお届けします。
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目次
「パティシエ エス コヤマ)」おすすめ商品
SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY
その年のベスト、最高のショコラを詰め合わせたのが「SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY」です。
「このカカオにはこの素材!」
毎年毎年、新しい気づきと共に、進化していくエスコヤマ渾身のひと箱は、マストバイ。
写真は、2015の4粒。
カカオの果肉を使っていたり、プラリネと日向夏を合わせたり…。特に心に残っているのはエルダーフラワーとカシスを使ったもの。
2021年は「魂のバトン~つなぐ想い」がテーマ。4人の物づくり人とのセッションによって生まれた以下4粒でした。
■No.1 焼き大和柑橘 feat. 城 健治
「柑橘の皮を焼いてみたらどうだろう?」というひらめきと、日本固有の原種で最古の柑橘である「大和柑橘」を守ろうとしている城さんとの出会いから生まれた1粒。
真っ黒に焼いた皮をアンフュゼ(煮たてて香りを出す)して、ペルーのコーヒー豆チャンチャマイヨのショコラオレ48%と合わせています。
底には、同じく大和柑橘のパートドフリュイ(ゼリーのようなもの)を敷いた複数層からなるボンボンショコラです。
■No.2 古樹茶花 feat. 北城 彰
中国雲南省にある標高2100メートル前後の山に植えられた樹齢数百年の木に咲いたお茶の花「古樹茶花」が主役のボンボン。
これを使ったガナッシュと、同じ土地で採れた「黄蕪林(フアンウーリン)プーアル生茶」のガナッシュを重ね、インド アナマライのショコラノワール70%、チャンチャマイヨショコラブラン40%を合わせた1粒です。
■No.3 ウレインチニーチャコーヒー feat. 岡内 賢治
「カフェファソン」の焙煎士 岡内さんとのコラボ。
ブルーベリーのようなニュアンスを持つ、エチオピア ウレインチニーチャコーヒーと、ブルーベリーのパートドフリュイを合わせました。
チャンチャマイヨのショコラノワール63%、ショコラオレ48%使用。
ガナッシュよりも少し遅れて舌に感じるパートドフリュイを楽しんで!
■No.4 香茸麹 feat. 坂本 健
小山シェフの友人、イタリアン「チェンチ」の坂本シェフとのコラボ。
坂本シェフが、香茸を麹で発酵させ作った自家製の香茸麹、そして生産者に天然ものを収穫してもらい乾燥させてアンフュゼ。
ベリーズ産ショコラノワール70%に合わせています。
そして2022年。「フルーツをよりリアルにチョコレートとして食べてもらえるか」、新しいフルーツショコラの形を提案する4粒。
■No.1 シャインマスカット&ダージリンセカンドフラッシュ2021 タルザム茶園
山梨県産シャインマスカットのパート・ド・フリュイに、共通のフレーバーを持つタルザム茶園のダージリンを重ねてハイミルク53%でコーティング。
シャインマスカットのパワーをダージリンがフォローしてよりパワフルに。
■No2.マンゴー&蜜香黄金芽
小さな虫に茶葉を噛ませ味を完成させる「蜜香黄金芽」という名の台湾烏龍茶のガナッシュと、フレッシュなマンゴーをリアルの再現したガナッシュの2層仕立て。
チャンチャマイヨ産のショコラブラン40%とアナマライ産ショコラノワール70%使用。
これも前者マスカットと同じで、お茶がフルーツをフォローしてその魅力を伸ばしてます。
ガナッシュの部分は、キャラメルのようなねっとりとした質感があって舌に美味しさを留めてくれます。
マンゴーの青い感じの味わいとか「酵素〜」(?)みたいなちょっとした刺激とか、ほんとにマンゴーのホール丸ごと!って感じの味わいで、マンゴー好きも大満足の一粒です。
■No3.苺&芳香小野菊
台湾の宣蘭県で標高1,100mを超える高山に自生している「芳香小野菊」を、一番ベストな時期に収穫し、苺とマリアージュ。
パクッと食べた瞬間、いちごにプラスして、なぜかやや柑橘…?グレープフルーツのような、それから杏とか桃系、ライチ…柿も…?というように本当にいろんなフルーツの味を感じました。
こちらのガナッシュも、すんなり滑らかというよりは、ややシャラッとしていてエアリー。
■No4.紅玉りんご&ジャーマンカモミール
ギリシャ語で「大地のりんご」という意味を持つジャーマンカモミールと紅玉りんごの相性の良さが光る1粒。
きゅきゅっとしたりんごの味わい…紅玉らしい素直な酸味を、カモミールの苦味が引き立てていて、バターでちょっぴり焦がしたアップルプレザーブのような味わいにも感じます。
2023年は「Dissonance~緊張と弛緩~」。苦味を活かした4粒。
■No.1 ジャスミンティー×苺
中国・四川省の標高1000mを超える高山で育った緑茶に、茉莉花の香りをつけた「碧潭飄雪(へきたんひょうせつ)」と苺のボンボン。
最初にジャスミンティー!お高いお茶独特の渋みと出汁っぽさから、苺が顔を出す感じ。
白いお花と赤いフルーツのイメージの中に、苦味じゃなくって渋みが心地よく残ります。
■No.2 ベルベーヌ&カモミール+苺
ガナッシュとパートドフリュイ。
ベースにずっとカモミールが居て、その上にフルーツ…ピンクグレープフルーツの酸味や香り、苺、カンパリがそれぞれのタイミングで乗っかる
たくさんの素材を使っているのに、バラバラとしたイメージではなく「最初にこれがきて、次がこう!重なって…昇華して…」みたいな物語みたいな1粒。
■No.3 ホップ&エキゾチック
京都府北部 与謝野町の2種類のホップと、マンゴー、パッションフルーツ。
いわば、ビールのボンボン?
そこにグレープフルーツのような香りが混じります。落ち着いてカットしていた残り半分をいただいて、やっとエキゾチックな部分を認識。
たぶんこれは1粒では足りないです。もう1箱買ってもイイ。一番クセになる味。お料理みたいです。
■献上加賀棒茶×フランボワーズ
“茎”ほうじ茶。
ほうじ茶が主役なのは間違いないんですが、ほうじ茶だけでは焙じ感(?)が強すぎるであろうところに、木苺の酸味や香りがスルッと添えられています。
ザ ストーリー オブ チョコレートマニア
絵本も手掛ける小山さんらしい、ユニークな仕掛けのあるアソート。
中のチョコレートを、小山さんが設定した物語のように楽しむことができます。
バロタン(箱)が、ちょうど本の装丁のようになってるのもニクイ演出。youtubeでアニメも公開されています。
どれも美味しいのですが、特にビックリしたのが「クスコ60%」。
ペルー南東部クスコ県ピチャリ地域にあるコミュニティの4農家で栽培されたカカオを使用しています。
お花の香り、ドライフルーツの味…どう考えても、シンプルなカカオだけのガナッシュだとは信じられない複雑さ!
最小の材料で、1皿料理のレベル。
DNA京都
公式サイトにて、「日本の”今”を表現し尽したショコラ」と紹介されているのは、私も大好きな「DNA京都」というシリーズ。
ふきのとう、万願寺唐辛子、柚子&抹茶、それから醤油や味噌、唐辛子などの日本の調味料などが使われたユニークなボンボン。
個人的な一番のお気に入りは、桜チップで燻製された「忍者」という一粒。スモーキーな風味が、不思議とカカオと合います。
タブレット(板チョコ)
エスコヤマには、本当に多くの種類の板チョコがあります。
シンプルなカカオの味わいを楽しめるモノから、2019年にはブームとなったルビーカカオにフルーツを合わせたものなど。
パズルのようなモールドもユニーク。
板チョコなのに、容器の蓋がコルクになっていたり…とプレゼントにしてもgoodな高級感もあります。
↑↓そしてコチラは、2021年に登場して大変な人気を博した「苺&ピスタチオ」。
ピスタチオを極限まで練りこんだホワイトチョコレートと自家製の苺チョコレートを合わせて、さらに上からシシリー産のピスタチオを振りかけてます。
チョコに練りこまれたピスタチオクリーム&上に乗せられたピスタチオのカリカリとした欠片…2種類のピスタチオの食感の差、それから舌に伝わってくる速度の差、ピスタチオの波状攻撃の中に、イチゴの酸味とフレッシュな香りがきいています。
ベラベッカ
ドイツのクリスマススイーツ「シュトーレン」が爆発的人気になった2018年…。
そして、その次に「ブームになるのでは」と言われているのが「ベラベッカ」なのですが、エスコヤマではそんなベラベッカをいち早く商品化。お取り寄せする事が出来るんです。
てなワケで、私もさっそく。
これでもか!と入れられたドライフルーツやナッツで、ずっしりと重いベラベッカ。
アルザスキルシュの芳醇な香りとスパイスの風味…。
赤ワインに合わせたい大人の味わいです。
チョコレート菓子
公式オンラインショップで「ショコラなお菓子」とカテゴライズされている商品たち。
ショコラティエの前に、パティシエでもある小山シェフが一番得意としている分野のお菓子です。
■ヌガティーヌブリュッセル-es
誰が食べてもニコニコする間違いない味。
バターリッチなヌガー、アーモンド、くるみをチョコでコーティングしています。
チョコレートは、ベルギーとフランスの2種類のミルクチョコに、ちょっとだけビターチョコを足しているんだそう。
わかる人にしかわからない話で恐縮ですが、ブノワショコラのキャラモンドみたいにサクサクとしたキャラメルではなくって、ガリッと噛んだらねっちょりとするタイプのキャラメルです。
チョコとキャラメルの甘さ、ナッツとキャラメルの香ばしさ、ナッツの皮のトコの苦みとチョコの苦み、塩味、それから爽やかさもあります。
■サブレカカオ-es アマゾンナティーボ
一流シェフの口からよく聞く、ペルー産カカオ アマゾンナティーボが主役のサブレ。
ニブ(砕いたカカオ豆)だけじゃなくって、なんとハスク(カカオの皮)も使われています。
サクッと齧ると、このカカオ豆の特徴なんでしょうか、まずはリンゴのような爽やかな香り。
そこにふわりと発酵の感じも乗っかって、リンゴのヨーグルトのような風味になってます。
さくさくチョコレートのサブレ…と思いきや、これは「カカオ」のサブレ。
カカオ好きの方はぜひ。もちろん、誰が食べても美味しいサブレには間違いありません。
■プラリネサンド-es 金胡麻
2021年参加しました、バリーカレボージャパン主催「サステナブルチョコレートの未来 2021 with #changemakers」の参加取材記事でも詳しくご紹介しました、「100%カカオフルーツのみから作られたホールフルーツチョコレート」を使った商品。
ヘーゼルナッツのサブレで、ヘーゼルナッツのプラリネと白胡麻を練り合わせたクリームをサンドしています。
ザクザクしたりサクサクしたりプチッとしたりといろんな食感があるのに、めちゃくちゃするーっと溶けていく不思議なスイーツです。味もしかり。
会で遠隔登壇された小山シェフから「プラリネのようなニュアンスを活かした、ゴマと合わせたクッキー。」として紹介されたのがこれだったんですね…!
「サンフランシスコで初めてこのショコラを食べたときに『僕たち、試されてる』と感じました。僕たちならどう使うか。新たな勉強というか、新たなテーマを与えていただいた感じ。」
とおっしゃっていた小山シェフ。チャレンジな1品、ぜひ!
バウムクーヘン
ダニエルズカカオバウム+フランボワーズの名付けられたバウムクーヘン。
2019年のサロンデュショコラ東京にて購入しました。
エクアドルの農園からフェアとレートで仕入れたオーガニックカカオを使っているそうで、エスコヤマらしいしっとりとした焼き菓子になっています。
お花のような香りがするエクアドルのカカオに、木イチゴのピューレがベストマッチ。
チョコレート所作(チョコ専用ナイフ)
繊細なボンボンショコラを、スッとカットできる専用ナイフ。
かの高級宿泊施設「星のや」でも採用されている「RYUSEN JAPAN」とのコラボ商品です。私実際に使った時に、本当に感動しました。めちゃくちゃ切れる!
神戸牛チョコレートカレー マイルド
「パティシエが作ったカレー」という謳い文句の、「神戸牛チョコレートカレー」。
かなり甘い…!のですが、フルーツを入れることによって生まれたしっかりとした酸味に、チョコレートと、おそらくプラリネを起因とする香ばしさとコク、奥行きが特徴的な、他では味わったことのないお味に仕上がっています。
とにかく手が止まらなくなる美味しさ。
レトルトカレーでここまで贅沢な味の物は初めて!とビックリしてしまいました。
自分で食べるのはもちろん、「えー?これなあに?!」という驚き楽しいですので、贈答用としてもおすすめです!
他にもいろんなスイーツがありますので、ぜひ公式サイトからチェックしてみてくださいね!
「パティシエ エス コヤマ」店舗、お取り寄せ詳細
実店舗
住所: 〒669-1324 兵庫県三田市ゆりのき台5丁目32−1
(グーグルマップで開く)
電話: 079-564-3192
とても大きな土地に、スイーツのテーマパークのような施設が広がります。
一度は行ってみたい…!
オンラインショップ、ネット通販
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グルメライター ケイのひとりごと
エスコヤマは個人的に本当に思い入れがあるブランド。
パリのサロンデュショコラに行ったとき、「SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2015」を買い(もちろんサインしてもらった!)、帰国してからユックリいただいたのですが…一粒口に運ぶたびに、改めて「小山進は天才!」だと思った次第です。
それ以来、大好きに…。すごいなぁ、なんでそんな味思いつくの?
ちなみに、その年のCHOCOLOGYは、例年になく凝っていて、なんとそれをテーマにシングライクトーキングの佐藤竹善さんに曲を作ってもらったり…(!)
サロンデュショコラでのブースもお洒落で、1粒1粒、ビジュアルイメージのパネルが飾られていたのも印象的でした。
エスコヤマ…店舗があまりなく、サロンデュショコラなどのイベントや、わざわざお取り寄せするくらいしか彼のショコラに触れる機会がないのも、逆に魅力なのかも。
…とにかく好きなんです…。美味しいですよね…。