「現代フランス菓子界の父」と言われるガストン・ルノートル。
そして、伝説といわれる彼の遺産をつなぐ、フランス最優秀職人賞を持つシェフたち。
そんな彼らが作る、一流のチョコレート作品とは?
…という事で、このページでは、「Lenôtre(ルノートル)」について、その特徴、おすすめ商品、店舗詳細、お取り寄せ情報などお届けします。
(ちょっと長い記事なので、ちょっと下あたりにある目次を使ってお好きな部分だけお読みください~!)
公式オンラインショップ
フィンガーケーク ショコラ(三越伊勢丹/公式)
「ルノートル」とは?
ルノートルは、冒頭に書いた通り、1957年にガストン・ルノートルが創業したパティスリー。
現在は、彼の意志と技術を継ぐ、フランスの人間国宝M.O.Fを持つアルチザン(職人)たちが在籍しています。
1971年にはパリ近郊にフランス初の料理学校「エコール・ルノートル」を開校。
2003年にパリのシャンゼリゼ通りに「ルノートル・パヴィオン・エリゼ」を創立するなど、料理学校の分野にも進出し、多くのパティシエたちがそこで学んでいます。
総菜販売やレストラン、さらにはパーティなどのケータリングサービスなど、幅広く事業を展開しているため、チョコレート以外でこのルノートルをご存知の方も多いかもしれません。
創業者 ガストン・ルノートルとは?
ガストンルノートルは、
「それまで口承で伝えられるのが通常だったお菓子のレシピを数値で表した」
「現代フランス菓子界の父」
また、弟子だったピエールエルメからは
「それまでのケーキ屋という存在を近代化した」
などと評される、フランス菓子界の伝説ともいえるお方です。
クリエイション・ディレクター ギー・クレンザー
そして、現在のルノートルをまとめるのは、クリエイション・ディレクターGuy Krenzer(ギー・クレンザー)。
シェフ・ショコラティエで、コンフィズールのMarc Sibold(マルク・シボルト)と共に、日々活動しています。
ギークレンザーは、フランス アルザス地方出身。
1988年にキュイジニエ部門・トレトゥール部門2つのM.O.Fを取得。バリスタ、焙煎士の資格も持ちます。
メゾン・ルノートルには2004年に招聘。創業者のガストン・ルノートルとは、5年間をともに過ごしました。
日本再上陸を記念したパーティーで実際にお会いした事があるのですが、PR用のプロフィール写真よりもずーーっと素敵な方でビックリしました。
「ルノートル」おすすめ商品
文化と料理の関係を考察する、ガストロミーの概念を持つルノートルだけにしか作れないチョコレート、その他スイーツたち。
ライターが実際に購入したり、上陸記念試食会、取材会で紹介されたモノの中から。
ボンボンショコラ
プラリネ、ガナッシュ、どちらもベーシックなものからチャレンジングなものまで様々なフレーバーを採用したボンボンショコラたち。
催事や実店舗、オンラインショップなどで手に入ります。
今回は、ボンボンショコラ単体でレポしています↓
■ショコラ・オ・レ&プラリネ
伝統的な製法によるヘーゼルナッツの食感を残したプラリネと、くちどけの良いガナッシュの2層を持つボンボン。(写真左上)
■ルノートルピスターシュ
タンザニアなどアフリカ産のカカオをピスタチオと合わせたボンボン。テクスチャーにこだわって作られた濃厚な味わいを持つ。「LENOTRE」の刻印が入った、メゾンを代表するプラリネです。
一般的なプラリネ…もちろんピスタチオのものと比べても、ものすごくクリスピー。カリカリと小気味良い食感が特徴です。
だけど全体的にはネットリとしたペースト。
ナッツのシャラっと舌に留まるようなマット感とか、キレよいチョコレート、カカオの感じとか、全体的にハンサムなイメージです。
大人のピスタチオボンボン!
■コリアンダー&シトロン・ヴェール
文字面見た瞬間「絶対好きなやつ。」と期待大だった1粒。
ガナッシュなのかな、と予想してたんですが、カリカリ&ネットリなプラリネでした。
ファーストインプレッションはライムのピールの感じ…柑橘のおしゃれな苦味なんですが、後からじわじわとコリアンダーがきいてきます。
カンボジアのクメール料理を思い出す超おしゃれな味!
ライムとコリアンダーなんで、まさに、ですよね。お料理のようなボンボンです。
■ジャンドゥージャ・トンカ
パクッと口に入れた瞬間、洋酒のようなセクシーで重いトンカ豆の香り。
ジャンデューヤ…ヘーゼルナッツのと相性も驚くほどいいです。
とにかく余韻が長い!
口の中がずっと美味しい。このあたりもなんだかお酒っぽいですね。
アルコール飲んだ後みたいなイメージ。
■ポワーヴル・クベバ
「クベバ・ペッパー」なるものを使った初体験のお味。
キリリと苦いチョコレートの中にお花の香りと、チリリとした刺激…クローブとはシナモンみたいな土っぽさを持つクベバペッパーがベストマリアージュ。
ルノートルピスターシュの同じくマットでハンサムなイメージなんですが、それよりももっとグッと苦く後を引きます。
■フランボワーズ・ティミュット
ぷわぷわとしたコンフィチュールの存在を感じる弾力あるガナッシュ。
ティムットペッパーは、主役のフランボワーズをたてるためほんのり。
ですが、後味に花椒のようなじんわりと心地よい刺激があります。爽やか。
■オランジュ&カネル
柑橘を使っているのですがミルクチョコだからでしょうか、それとシナモンのイメージからか、全体的に落ち着いたトーンです。
なぜか「鎮静」みたいな単語が思い浮かびました。
たまたま最後にいただいたのですが、フウっと一息つく感じで締めることができました。
ミルクチョコもやっぱり美味しいなぁと原点に帰る味。
キューブ・ルノートル
こちらもボンボンショコラですが、ちょっとユニークなので分けてご紹介。
滑らかなダークチョコレートのガナッシュを、さらにダークチョコでコーティングしたキューブ型のボンボンです。
アントルメの上に飾られたりも。
その他、フルーツを使ったキューブなどは日本の為に開発。
写真のキューブフレイズは苺のピューレを閉じ込めた一粒。フレッシュな酸味が心地よい味わいです。
マンディアン
単純なマンディアンではなく、なんと、土台のチョコの中にガナッシュ(チョコクリーム)が入った特別なマンディアン。(写真右下)
上に乗っているアーモンドは、初代ガストン・ルノートルも使ったバレンシア産、ピスタチオはシチリア ブロンテ地方、ヘーゼルナッツはフランス ラジュネ地方、生姜はコルシカ産…といった最高級のモノばかり。
Feuille d’Automne(フイユ・ドトンヌ)
創業者ガストン・ルノートルのレシピが今なお継承されているスペシャリテ。
「マツコの知らない世界」の「チョコレートケーキ」の回でも紹介されました。
サクサクなメレンゲとチョコレートムースをパリパリのチョコレートでコーティング。華やかな見た目ながら軽やかな味わいに仕上げています。ヒラヒラのチョコレートのデコレーションが特徴です。
Tour Eiffle Volute(トゥール・エッフェル・ヴォリュテ)
パリの象徴、エッフェル塔をイメージし、キャラメルとチョコレートを組み合わせた日本限定商品です。
ナッツやキャラメルなど重甘い感じが好きな方はぜひ体験を!おすすめです。
Plaisir(プレジール)
今なおアトリエがある場所の名前のお菓子。楽しさという意味も。軽やかなバニラムースとチョコレートムースをキャラメリゼしたどこか懐かしい味です。
Financier Citron Gimgembre(フィナンシェ シトロンジョンジョンブル)
レモン風味にショウガのアクセントが絶妙にきいたフィナンシェです。
Esprit Tartelette Fraise(エスプリ・タルトレット・フレーズ)
ビスキュイの上に軽やかなクリームとイチゴをのせました。
文句なく美味しいサックサクのビスキュイといちご。
まずはどのケーキにしようかな、と迷ったらこちらをぜひ。
「ルノートル」原材料名 例
砂糖、カカオマス、カカオバター、ヘーゼルナッツペースト、乳等を主要原料とする食品、ピスタチオペースト、全粉乳、脱脂粉乳、バター、転化糖、グルコースシロップ、バニラビーンズ/ソルビトール、乳化剤(大豆由来)、香料
「ルノートル」店舗&通販(お取り寄せ)情報
実店舗はパリ。そして日本にも!
店舗はパリに15店舗以上。
■ヴィクトル・ユゴー通り店
住所:48 Avenue Victor Hugo, 75016 Paris, フランス(グーグルマップで開く)
電話:+33 1 45 02 21 21
営業時間:9時00分~21時00分
始まりのお店はヴィクトル・ユゴー通りにあるショップ。
エトワール凱旋門からは600メートル弱しか離れていないので、パリを旅した際はまとめて訪れたいですね。
■バスティーユ店
住所:10 Rue Saint-Antoine, 75004 Paris, フランス(グーグルマップで開く)
電話:+33 1 53 01 91 91
営業時間:9時00分~21時30分
バスティーユにある店は、店前のオープンエリアでさまざまな料理を楽しむ人の姿を見る事が出来ます。
店内にはチョコレート菓子はもちろんのこと、多くの種類のアントルメ、キッシュのようなおかず系パン、お惣菜、ドリンクも!
■ルノートル東京
住所:東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング 1F(丸ノ内線東京駅直結)
電話:03-6551-2850
営業時間:11:00~21:00(日祝は~20:00)
■銀座三越店
住所:〒104-8212 東京都中央区銀座4-6-16(グーグルマップで開く)
電話:03-3562-1111
営業時間・定休日:百貨店に準ずる
その他、地方でのお買い物 お取り寄せ
日本に居ながらにして手に入れるタイミングは、バレンタイン時期の百貨店催事にもあります。
三越や伊勢丹、それからサロンデュショコラにも出る事が多いです。
また、同じ時期に、それらオンラインショップにも登場しますので、ネットからのお取り寄せも可能!チャンスを逃さずに。
フィンガーケーク ショコラ(三越伊勢丹/公式)
アルチザンアソート30 (三越伊勢丹/公式)
ルノートル 日本再上陸記念試食会に参加してきた!
さて最後に、2019年3月25日、日本再上陸2日前に行われた開店記念試食会の様子をお伝えしたいと思います。
会にはギーシェフの他、北川シェフ、ライセンス契約を結んだ中島大祥堂、ルノートル、フランス大使館の各代表者も参加。
ルノートル代表者からは、
「ずっと進出したい、いや戻りたいと思っていた国は、素晴らしい資産に富む国、日本でした。
フランス、日本の両国は、ガストロノミーを愛すること、洗練されたものを好み、文化を高めていくという気持ちが共通しています。
過去の催事、出店の成功をみて、日本再上陸の成功を確信しました。もちろん、常設店のみならず、さまざまな催事にも参加する予定です。」
とのお話が。
また、中島大祥堂の中島社長の奥様が、「フランスに行ったらルノートルに行きたい」というほど同メゾンのファンで、そのことがライセンス契約の一つのきっかけになっている…等の話も公開され、終始和やかな雰囲気。
ギークレンザーシェフのお話も興味深く拝聴しました。
試食がふるまわれてからは皆さんそちらに夢中で、なかなか舞台に注目が集まらず「みんな、僕の話よりスイーツなんだね(笑)」と言わんばかりに、私に向かって苦笑いで首を傾げウインクする姿には、わたくし、ハートを撃ち抜かれてしまいました…。(1分33秒くらい↑です。)
さて、試食会ですが、ルノートルの代表的なスイーツの他、日本限定のエッフェル塔をモチーフにした「トゥール・エッフェル・ヴォリュテ」などのラインナップで、ライター大歓喜。
今までチョコレートしか口にしたことがなかったのですが、「フィンガーケーク シトロン」をはじめとした焼き菓子がものすごくおいしくって、頭の上に大きなビックリマークが出まくり!
その後、北川シェフ、そしてギーシェフも加わったデモンストレーションも行われました。
プロの技を近くで見る機会はさほどないので、こちらもまた貴重な経験に。
…
といった、ルノートルのスイーツたち。
これからは日本で楽しむことが出来ます。
銀座三越、地下2Fにぜひ足をお運びくださいませ~!