フランスとベルギーの国境 リールは、その両方の文化が根付く美しい街。
そこに「辣腕」と評される若きショコラティエがいます。
彼が世界中を旅し、そこで受けたインスピレーションと、地元愛をミックスして生み出したショコラとは。
「Quentin BAILLY(カンタン・バイィ)」について、その特徴、おすすめ商品、店舗詳細、お取り寄せ情報などお届けします。
目次
「カンタン・バイィ」とは?
「カンタンバイィ」は、フランスの北部にあるショコラトリー。および同名ショコラティエ。
ショコラティエ カンタンバイィは、16歳から故郷で菓子修業をはじめ、その後「シュクレ・カカオ」、三ツ星レストラン「メゾン・ピック」などで修業を重ねます。
「フィリップ・リゴロ」のシェフショコラティエとして在籍中である2013年に、クープ・デュ・モンドで優勝。
2017年3月にリールに戻り、ショップをオープン、2023年には、リール郊外のボ兼店舗も完成。
同年、パリのサロン・デュ・ショコラにて新人賞、フランスの権威あるショコラ愛好会C.C.C.で最高位金賞を獲得。
↓ここから下は、2020のサロショセミナーでお話していたこと。
聞き間違いがあったらごめんなさい。
自身は奥さんと暮らす場所の近くにアトリエを構え、そこからショコラをショップに輸送するというスタイルで仕事しているそう。ちなみに、奥様は美容師の世界チャンピオンなんだとか!
美味しい物は複雑ではない
そして、「美味しいものは複雑ではない」という考えのもと、子供から大人まで皆が食べられて笑顔になる、優しくてシンプルな味わいを目指しているというカンタンバイィさん。
試作のスイーツも、同業者ではなく自分のお子さん(2020年時点で3歳と6歳)やおばあさまとかに試食してもらって、ストレートな意見を聞き参考にしていらっしゃるそうです。
「カンタン・バイィ」おすすめ商品
ボンボンショコラ
抜群のセンスで組み合わされた素材の妙が光るボンボンショコラ。
こちら↓は2024年に購入した紅茶を使った6種のアソート(日本限定)。
■ラベンダーとベルガモットとジャスミンティー
柑橘の香りとマットなイメージのお花の香り…
ガナッシュとキャラメルやパートドフリュイが混じったような、プワプワねっとりとしたテクスチャで冷たく溶けていきます。
■シナモンとオレンジ風味のキャラメルティー
こちらも柑橘。金柑のようなクセ。ミントのようなハーブの感じも混じります。
■バニラと薔薇風味のコケモモティー
バニラのおかげか意外とミルキーなイメージ。練乳っぽい優しさがありました。
また、カンタンバイィの故郷、そしてショップがある町リールで有名なレンガをモチーフにしたボンボンも有名!ベルギーの伝統菓子スパイスクッキー「スペキュロス」をパウダー状にしたもの、ミルクチョコレート、塩、バニラなどの味わいが楽しめした↓
サブレ フルール ド セル
サブレチョコの王道…かと思ったら意外に強い塩味…!
鼻腔をくすぐるバターのとキノコのようなチョコレートの香り。
食感はしっとりサクサク。
ひらぺった~い大きな丸い形も目を惹きます。
ショカロン フランボワーズ
サブレに少しだけマカロンを足したようなイメージのショコラ。
特筆すべきはその食感!
「ドライクランベリー」と説明がありますが、食感はドライフルーツのそれではなく、糖の感じ…しかも今ASMR的にも流行っている「琥珀糖」とか「わり氷」系の食感なんです!
それが生地の中に細かくちりばめられていて、同じく小さく砕かれたココナッツチップや生地と一緒になり、これまで経験したことのないリズミカルな食感を生んでます。
気持ちいいし、そして何より美味しい。
ココナッツも、良い香りと心地よい食感だけを提供していて、嫌な部分がいっさいありませんし(普段は好んでは食べないんですが)、ショコラの分量も絶妙です。
ケーク
塩が効いた贅沢なケーク「キャラメル ブール サレ」。
タブレット(板チョコ)
タブレットの美味しさにも定評があるカンタンバイィ。
■ブランシュ キャビアドゥ バニーユ
バニラビーンズが入ったホワイトチョコ。
カンタンバイィのバニラは、ニューカレドニア産の希少なバニラを使用しているそう。
■ノワール クランベリー
ビターチョコの生地にクランベリーを混ぜたタブレット。
■レ グランドゥ セザム
ミルクチョコにゴマを混ぜた、ちょっぴりユニークなタブレット。
このほか、「プラリネローズ」、「ブロンド」、「ブラジル62%」、「エクアドル70%」など、様々な種類の板チョコがあります。
また、フィリング(中身、詰め物)入りタブレットも人気で、2019年サロンデュショコラ東京には、塩バターキャラメル「レ・プラリネ」、2種のナッツのプラリネ「ノワール キャラメルブールサレ」、グレープフルーツ風味「ブランシュ ヴァニーユ アマンド パンプルムース」の3種類が登場しました。
サブレ ポシェ ヴァニーユ
シャクシャク、ホクホクとした食感で、きめが細かくとろけるような口溶け。
とってもシンプルで素朴な味わいですが、バニラの香りとほんのりとした塩味を感じると「やっぱ他にはないかも!さすが!」というセンスを感じます。
カンタン・バイィ 原材料名 例
ココアバター、キビ砂糖、全粉乳、バニラビーンズ、乳化剤
カンタン・バイィ 店舗&通販(お取り寄せ)情報
カンタンバイィの店舗は、前述の通り、フランスのリールに。
住所:65 Rue des Arts, 59800 Lille, フランス(グーグルマップで開く)
電話:+33 3 20 31 50 12
営業時間:9時30分~19時00分 土曜日のみ10時から
定休日:日曜日、月曜日
前述した通り、ショコラティエ自身、ショップを訪れるのは、月2回の商品配達のタイミングのみで、奥様と暮らす生活の拠点はリールから車で6時間のロワンヌ。
ショップを仕切るのは実の妹さん。
日本からのお取り寄せ
日本で手に入れるには、現在のところ、百貨店催事「サロンデュショコラ」が一番可能性が高いと思われます。
バレンタインシーズンは要チェック!
もしかすると同時に伊勢丹オンラインでも販売されるかも?こちらもシーズンには、ちょこちょことチェックしてみてくださいね。
ライターのひとりごと
2020年、サロン・デュ・ショコラ東京のセミナーに参加しました。
同業者のショコラティエにめちゃくちゃ好かれているのか(若いから弟っぽい感じで愛されているのかも?)控室にいる他の有名シェフから大声援で見送られ会場に登場(笑)
この日だけのスペシャルスイーツ、食いしん坊の薔薇、ローズグルマン(と言っていたと思う。たぶん。)を作ってくださいました。
手元アップのカメラをジーっと見ていたのですが「アレ?いつのまに?」というくらいに、サササッと見事な薔薇を形成。
「こねこねしてみて?」と会場内にも素材のチョコを回してくださったり、と、とても楽しいセミナーでした。
薔薇はひとり一輪おみやげに。
土台はチョコサブレでこちらも絶品でした。
写真&文章 グルメライター ケイ
リールの街並み写真 Port777