ライター仲間の中でも特にチョコに詳しい友人から「ものすごくコスパ良いのよ」と教えられ、手にした「ドゥブルベ・ボレロ」。
チェックしてみると、なるほど、アソート3粒で700円。
なのに、ボンボンを一つポンと口に入れたら、頭の上にビックリマークが出るほど「美味しい!」。
それもそのはず「ドゥブルベ・ボレロ」は、鎌倉の「レ・ザンジュ」…かの三輪壽人男シェフの元でみっちりと修業した渡邊雄二シェフによる、関西屈指の名店なんです。
「こ…これは『コスパがいい』なんていうレベルの話じゃない!皆様にもお知らせしなきゃ」という事で、今回、そんな「W.Bolero(ドゥブルベ・ボレロ)」について、その特徴、おすすめ商品、店舗詳細、お取り寄せ情報などご紹介したいと思います。
目次
「ドゥブルベ・ボレロ」とは?
「ドゥブルベ・ボレロ」は、1965年、三重県伊勢市にある洋菓子店「シラセ」に生まれた、渡邊シェフによるパティスリー&カフェです。
2004年、滋賀県守山市にオープン。
2013年、大阪本町に2号店をオープンしています。
渡邊シェフは、社長でもあるお父様に命じられ、同じく「クラブハリエ」山本隆夫シェフも修行した、鎌倉「レ・ザンジュ」にて、現「パティスリーMIWA」のオーナーシェフである三輪壽人男さんに師事。
色んなインタビューなどを拝見していると、当時、最先端で本格的なパティスリーだった「レ・ザンジュ」での修行が渡邊さんにとって相当大きかったようで、ルセットなどの菓子作りに関してだけでなく、実家の洋菓子店から独立、接客方法や内装を含めた自身の店作り、後進の育成方法などに大きな影響を与えているようです。
「ドゥブルベ・ボレロ」大阪本町店に行ってきました!
…というワケで、今回は大阪本町のお店に伺いました。
最寄り駅は、大阪市営地下鉄「本町」駅。(グーグルマップで開く)
2番出口から出て左に向かって歩くと、北御堂 本願寺津村別院というすごく大きな建物がありますので、それを左に曲がり、高架に突き当たったら右に進む…というルートがわかりやすいかと。
ルートは↑こちらの動画の最初で解説しています。
さて、オフィス街に唐突に現れた、妙にお洒落なパティスリーの中に入ると…、
手前がショップになっていて、左手に生菓子(ケーキ、チョコレート等)のショーケース、右手に焼き菓子などの常温商品、そして、右手奥にカフェスペースが見えました。
カフェ利用だと伝えると、先にケーキを注文してください、とのこと。
迷いに迷って、スペシャリテと伺った「アイアシェッケ」(詳細後述)をオーダー。
テイクアウト品も、この時にまとめてお願いしておくとスムーズという事で、お持ち帰り用の「オペラ」も合わせて。
(PayPayも使えました!関西のお店ってクレカも使えないお店もチラホラありますので、これは嬉しい。)
すごく感じの良いカフェスペースです
紺藍のような絶妙な色の内装。素敵なカフェスペースです。
テーブルが、ある程度”ゆとり”をもって配置されている事もあり、席数は少ないものの、イートイン感はなくちゃんとしたカフェの落ち着き。
私が訪れたタイミングでは、サラリーマンの方の打ち合わせらしき組だけだったのですが、すぐにほとんどの席が埋まりました。
雨の日だったので普段はもっと混んでいるのかも?
表に向かって置かれたカウンター席もありますので、お一人様でも入りやすいのが嬉しいですね。さすがの気遣いです。
さて、着席し、メニューを拝見…。
お茶のこだわりが凄い
渡邊シェフは、「知れば知るほど深い世界なので、入り込むのはほどほどに」とご自身でおっしゃっていますが、それでもドリンクメニュー…中国茶の種類は、なかなかのもの!
おすすめは「メランジェ・ボレロ」と名付けられたオリジナルブレンドのシリーズ。
↓説明を読んでもらえればわかると思いますが、シェフのこだわりが詰まっています。
私がオーダーした「メランジェ・ボレロB」は、ネパールの茶葉に、正山小種(ラプサン・スーチョン)をブレンドしたもの。
正山小種は、その名の通り正山(武夷山)の半発酵茶で、松の実をいぶした癖の強い香りが特徴。もちろんこの「B」もかなりスモーキーな味わいでした。
チョコ系、キャラメル系、マロン系…などの、どっしりとした甘苦めなガトーに合います。
「ドゥブルベ・ボレロ」おすすめ商品
…そして、オーダーした「アイアシェッケ」が運ばれてきました。
ここからは、この時実際にいただいたモノを中心に、「ドゥブルベ・ボレロ」のおすすめ商品を続けてご紹介していきます。
アイアシェッケ
「アイアシェッケ」は、究極のチーズケーキとも称される、「ドゥブルベ・ボレロ」を代表するケーキです。
実は、修行先「レ・ザンジュ」で学んだ三輪壽人男シェフのルセット(レシピ)のまま、なんだそうです。
もとは、ドイツの伝統的な地方菓子で、そぼろ状になったクッキー、バターとカスタードクリーム、レーズン入りチーズ、クッキーの4層になっています。
フォークの他ナイフも運ばれてきたので、「あら、さすがに上品ね」なんて思ったのですが、なるほどケーキに触れてみると、美味しさがギュ~ッと詰まったような、想像以上にシッカリとした硬さがありました。
”濃厚”と評されますが、ただそれだけではなく、甘さの中にシュッとしたキレもあって、この密度なのに最初から最後まで同じレベルの美味しさで楽しむことが出来ます。
噂になるだけある…と、私、思わず、食べている最中に友人にその感動をメールしてしまいました。
ちなみに、ショップにあったお持ち帰り品の方は、大きなサイズ、そして紙箱か木箱かも選べました。
木箱入りが用意されているという事は、贈答用としても需要があるようですね。
ボンボンショコラ
続いてのオススメは、一口サイズの詰め物チョコ「ボンボンショコラ」たちです。
冒頭で書いた通り「ドゥブルベ・ボレロ」のボンボンは、「なぜ?!」と驚くほどのお手頃なお値段ながら、海外の一流メゾンに全く引けを取らない、というか、それよりも美味しい(と私が思う)モノも多数存在しています。
フルーツやナッツを使ったモノはもちろん、有名どころは、C.C.C.(クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ=世界的なチョコレート愛好家クラブ)で金タブレットを受賞した「グアテマラ山椒」「酒ゆず」「フィグバルサミコ」、
そして、2019年に出た、中国茶、バルサミコ酢、醤油などの発酵食品とチョコレートを合わせたボンボンアソートF(フランス語で「発酵」を意味するfementationの頭文字)も面白いですし、
それから、2020年にはさらに中国茶のボンボンに力を入れていて、ココナッツのような香りがする台湾烏龍茶「四季春」、新芽の部分を全発酵させた福建省の「金駿眉」、同じく福建省の白茶「白毫銀針」などをそれぞれ加工したボンボンを発表。話題を呼びました。
そういえば、TBSテレビ「マツコの知らない世界」の「中国茶」の回でゲストの風吹ジュンさんに紹介されたのも中国茶のボンボン「テ・シノワ」だったのでした。(同じ中国茶を使った「 ガレット・デ・ロワ テ・シノワ」も紹介。)
そしてこちらは、2022年の「サロン・デュ・ショコラ」セミナーで出た試食のセット。
紙皿の上のボンボン。12時の方向から時計回りに…
■ペルーの国旗をイメージしたプリントのボンボン
一番素直なカカオの味を楽しめる、シンプルガナッシュ。
エクアドルに近いエリア、ピウラのホワイトカカオを使用。
ビーントゥバー的な個性もチラリ。細かく砕いたカカオニブが敷かれてます。
■葉っぱの柄。マイレディ。
お店で出しているチョコムースのプティガトーをボンボンショコラに落とし込んだ1粒。
シェフが、マリアージュフレール並みに美味しい評価しているイギリス「アシュビィズ」(って言ったと思う多分…)のフレーバーティーを使った新作。
紅茶を煮出したガナッシュに、黒無花果と木苺を煮詰めたパテの2層構造。
食べてみると、ほんとにマリアージュフレールのマルコポーロっぽい味がする!
ギュッと凝縮されたよう硬めのパートドフリュイの層をごく薄く敷いてあって、ガナッシュのなめらかな舌ざわりをあまり邪魔しないようになってます。最後にプチプチといちじくの種の食感が楽しい。
■金胡麻、唐辛子のプラリネ
ヘーゼルナッツと金胡麻、唐辛子を使ったプラリネ。
トルコ産ではなく、甘くミルキーな味わいのイタリアピエモンテのヘーゼルナッツ、「和田萬」の胡麻などこだわりの素材。
唐辛子の処理が大変で、フードプロセッサーで細かく挽いていると隙間から空気に浮遊して大変なんだとか。
その他、”貿易登録?などについて一生懸命勉強して、直接農家とやり取りして…でも、コロナで便数が減って運賃があがったり~という問題があって大変で”…などなど…いろんな裏側のお話もありました。
食べてみると、濃厚ながらするりと溶けるプラリネ…おお、おいしい…辛っ?!って感じで後から唐辛子が来ます。
サブレ・カカオ
上記でご紹介した試食セットに中にあって、個人的「一番のヒット!」、感動の1枚「サブレ・カカオ」。
ムック本にもカタログにも掲載された影響か、新宿のサロショでも大変な人気だったそう。
シェフ曰く、どちらかというとチョコ中級者&上級者向け、との事。
発酵が進んでいて味が濃いという特徴を持つペルーのナティーボのカカオ、フランスの粉、発酵バター…それから「高価なので勝負スイーツだけに使う」というパカリのローカカオパウダーを使用した「カカオ」のサブレです。
「チョコレートサブレ」とはやっぱりイメージが違う。
カカオパルプのような味すら感じます。超カカオ!ざっくざくな食感もいいです。フランスの粉~って感じがして大好きな食感と味でした。
ブランシェット
「パトリックロジェみたいな、豪快なオランジェットだわ!」と思ったら、よく見ると「ブランシェット」(写真中央右)…?
こちらは、インドネシア産75%のカカオで出来たチョコたっぷり入れ、ブランシュガーで焼き上げたサブレ(ラングドシャ)を、さらにビターチョコでコーティングしたもの。
ザクザク食感と、ダブルチョコで満足感のあるいっぴんに♪
オランジェット・ダマンド
カフェでいただいたオランジェット↓です。
ベネズエラ産70%のカカオでコーティングされた上に、銅鍋でじっくりとローストされた砂糖がけアーモンドが振りかけられています。
オペラ・ドゥ・エム
「チョコのサイトなんだから、チョコのケーキもおさえとかなきゃね!」という事で、テイクアウトした「オペラ」。
スタッフさんが「アルコールが強めですがよろしいですか?」と確認するほど、ブランデーシロップがたっぷりと染み込んでます。
繊細な味わいのスポンジ、クリーム、ガナッシュの層が何層も重なり、一番上のシンプルなチョコレート生地は時間が経ってもパリッと小気味の良いままで、食感にアクセントを与えます。
くんっと香ばしいのは珈琲の香り。
師匠から教わったお酒の使い方に、自分なりの考えをプラス、甘さにキレを出すような使い方が「ドゥブルベ・ボレロ」の味…!
「ドゥブルベ・ボレロ」店舗&通販(お取り寄せ)情報
実店舗は2か所。大阪本町店の方は比較的アクセスがしやすい場所にありますので、大阪観光の際にも立ち寄りやすいと思います。
実店舗
■守山本店
住所:〒524-0012滋賀県守山市播磨田町48-4(グーグルマップで開く)
電話 077-581-3966
営業時間 11時00分~20時00分(電話対応は朝10時から)
定休日:火曜日(祝日の場合は翌水曜日)
■大阪本町店
住所:〒541-0048 大阪府大阪市中央区瓦町4丁目7-4(グーグルマップで開く)
電話:06-6228-5336
営業時間:10時00分~20時00分
定休日:土曜日
お取り寄せ、ネット通販
公式オンラインショップの他、バレンタインなどのチョコレートシーズンには、各百貨店のオンラインストアにも登場します。
お買い物しやすい先で、ぜひ。
グルメライターケイのひとりごと
私たち消費者側からしたら、「コスパいい~♡」で終わってしまう話ですが、渡邊さんの修業時代、そして実家に戻ってから自身の店をオープンするまでの葛藤や苦労を思うと、「本当に美味しい物を多くの人に食べてもらいたい」という彼の想いには、素人ながら、バシバシと膝を叩きながら納得してしまうしかありません。
そして、そう考えると「コスパいい~♡」という私たちの反応は、おそらくそれはそれできっと、正しいんだろうな、と思うのです。
SNSの投稿とか拝見していても、誠実なお人柄がにじみ出ていて好き。
【内部検索用】
ドゥブルベボレロ