このページでは「ワールドチョコレートマスターズ」の意味を解説します。
「ワールドチョコレートマスターズ」とは、バリーカレボー社が主催するショコラティエの世界大会。
技術だけでなくアイデア、独創性、瞬発力など様々な要素を競う、チョコレートのワールドカップのようなもの。
2005年に設立され2年、もしくは3年に一度開催されています。
大会の内容 日程 選考方法など
大会のファイナルには、世界各国で予選を勝ち抜いた選手が出場。
パリで開かれる世界最大のチョコレートの祭典「サロンデュショコラ」会場内で行われます。
選手たちは、与えられたテーマに沿ってピエスモンテ(工芸菓子、細工菓子)や、ボンボンショコラ、フレッシュパティスリーなどの作品を作ります。

2018年大会1位 Elias Laderachのピエスモンテ
ちなみに、第7回になる2018年大会では…
■旅行中に持ち歩きできるチョコレート
■屋台で売られているようなスナックチョコ
■6種類以上の技法を取り入れ、テーマに沿ったチョコレートショートピース
■フレッシュな材料を使ったチョコレート
など、合計7個の課題が課せられました。
大会は3日間通して行われますが、1日目、2日目で上位に入らないと、3日目の最終選考に残る事は出来ません。

Elias Laderachの大会中の様子
審査員は、出場国から各1名。
自国を審査する事は出来ません。
また、公平を期すため、この他、審査委員長、技術審査委員長、味覚審査委員長がいます。
大会の様子は、世界中に同時中継され、多くのショコラファンが見守ります。
第6回大会をチラッと見てきました。
2015年、パリのサロンデュショコラ会場で開催された第6回大会。
大きなスクリーンが用意され、会場はさながらテレビ収録の現場のよう。
一時代を築いた伝説のTV番組「料理の鉄人」をイメージしていただければわかるかも。
緊張感ある大会らしく、例えば、時間内に完成しない、ピエスモンテを移動中に壊してしまう…などのトラブルも少なくありません。
この時の1位は、ティエリバマスのスーパーバイザーとしても知られるVincent Vallée(ヴァンサン・ヴァレ)氏。
(カカオバリーのサイトでは「ヴィンセント・バレ」と表記。)
そして2位が、我らが日本!
クラブハリエのシェフ、小野林範(おのばやしひさし)氏、
そして、3位はベルギーのMarijn Coertjens(マレーン クーチャンス)氏でした。(カカオバリーのサイトでは「マライン・コートジェンス」と表記。)

2015年大会3位 Marijn Coertjens
偶然ですが、出場前(後?)待機中の選手たちを撮影した写真にも彼が映っていました。
(そしてたぶんその左が小野林さんだけど、顔が映ってなかった…)
ちなみに…この数年後、マレーン クーチャンスは日本に上陸。もちろんすぐさまGET!「京菓子處 鼓月」とコラボしたアソートは見た目も可愛く、話題に。
第7回大会の結果は
そして、2018年に開催された第7回大会では、スイス代表のElias Läderachがワールドチョコレートマスターに。

2018年大会 ワールドチョコレートマスターに輝いたElias Laderach
エリアスさんにとって夢の大会だったワールドチョコレートマスターズ。
実は、5年以上前から悩み、そして出場すると決めてからはトレーニングを重ね、社内外のアドバイス、また、書類の準備などは人の手を借りたそう。
スイス代表戦の場には、同じ会社(レダラッハ)の一番のライバルである女性シェフも出場しており、1位がエリアスさん、2位が彼女という結果に。
エリアスさん:「自分強みと弱みに向き合うことが、大会で成功する重要な要素。私の場合の強みは、チョコ自体の味や、ピエスモンテ、ショーピースでした。
また、友人であるM.O.Fシェフ ステファン・トレアン氏からの、『シンプルなものをいかに美味しく愛してもらうか…が大事』というアドバイスを元に、スイスにこだわりすぎず、だれの為に作るのかを真剣に考え準備しました。レシピはわかりやすく完璧で美味しいものを目指しましたね。」(2018年に参加したセミナーにて)
上記写真は、大会で出したアーバンリーフボンボン。
わたしくライターは、2019年サロンデュショコラ東京で開催されたセミナーにて試食する事が出来ました。
マンダリンの中にレモングラスをインフゥージョンし、三層でフレッシュなテクスチャに仕上げています。
「いつも作っているもので賞を受けて嬉しい。」とエリアスさん。
続いて、フランスのYoann Laval、米国のFlorent Cheveauが選ばれました。
2位のYoann Laval氏は、デリスデセンスというパティスリーを任されていて、2019年のバレンタイン催事「アムールデュショコラ」で日本再上陸。
そして、日本代表の座を勝ち取った「アサンブラージュカキモト」(京都)の垣本晃宏シェフは2度目の出場で健闘し4位という好成績を残しました。
歴代の日本代表シェフ 一覧
さて、そんな「ワールドチョコレートマスターズ」。
過去の日本代表シェフをご紹介しておきます。いずれのシェフもご自身のブランドを展開してらっしゃるので、ぜひ、世界レベルの味を体験してみて下さいませ!
2005 和泉 光一(アステリスク)、山本 健(シェラトン都ホテル東京)
2007 水野 直己(洋菓子マウンテン)
2009 平井 茂雄(ラヴニュー)
2011 植﨑 義明(ラ リヴィエ ドゥ サーブル)
2013 垣本 晃宏(アサンブラージュカキモト)
2015 小野林 範(ショコラトリーヒサシ)
2018 垣本 晃宏(アサンブラージュカキモト)
2021/2022 田中 二朗(パティスリー カルヴァ)
…
以上、「ワールドチョコレートマスターズ」について、いかがでしたでしょうか。
チョコレートについて勉強していれば、これからたびたび出てくる単語だと思います。覚えておくとよりチョコレートを楽しめること間違いなしです!